パーキンソン病
パーキンソン病について
神経伝達物質であるドーパミン産生が低下することで運動障害が生じる疾患。
パーキンソ病の発症の根本的な原因はひとつではなく、さまざまな遺伝性要因や環境要因が関わっていると考えられています。いまだに根本治療はなく、薬物により進行を遅らせる対処療法が主。
症状
初発症状
一則性の手または足の振戦。手の巧緻性低下、歩行時の足の引きずりが多く、さらに進行すると両側性になります。
特徴
安静時の振戦、固縮。無動、姿勢反射障害の4大運動症状と自立神経症状、精神症状があげられます。
運動障害
- 安静時の振戦
50%程度の初発症状にみられます。随意的に動かすときは出にくい為、日常生活の障害になるとはあまりありません。 - 固縮
関節を他動的に屈曲、伸展した時に歯車現象というガクガクと歯車が噛み合うような抵抗を感じることが特徴的です。 - 無動(アキネジア)、寡動(プラジキネジア)
歩行や起立を含めあらゆる動作が緩慢となり、方向転換や歩行中にも足が止まりすくみ足になします。顔面の随意運動が減少し表情の乏しい仮面様顔貌や小声になり、さらに。えんげ回数が低下し流涎が出るようになります。 - 姿勢反射障害
前傾姿勢となり肘と膝は軽度屈曲しせいとなります。身体のバランスが悪くなり転倒しやすくなります。
自立神経障害
自立神経反射が低下するために便秘や起立性低血圧、食後低血圧による眩暈や失神、排尿困難、発汗過多をひきおこします。
精神障害
ドーパミン産生低下による特徴的な症状として、無関心・不安、よろこび・興味の消失などがあります。パーキンソン病になったために引きこもったり、他者と接触する意欲がなくなったり鬱状態になることもあります。
パーキンソン病は進行性の疾患であるため、徐々に日常生活‘に介助が必要になる状態となっていくことを避けることはできませんが、毎日のリハビリで転倒などによる2次障害の予防や、筋力を維持することは大切です。
「パーキンソン病治療ガイドライン2011」でも運動療法が身体機能、健康関連QOL、筋力、バランス、歩行速度の改善に有効であるとされています。